「枷」を使いこなす方法 そこにドラマが生まれる!【第41話 2021.4.11】


「枷」の使い方とは?


桜の花も散り、葉桜が力強く太陽に向かって目を出しています。
暖かくなったと思ったら肌寒くなる季節、体調を崩されませんように。
さて、今回は「枷(かせ)」、物語に必要不可欠な
「枷」についてお話をしてみたいと思います。
物語の中で、主人公を思うように進めなくする要素の一つが「枷」ですね。
そもそも「枷」とは、
首枷、手枷、足枷といった、
昔の罪人がつけられて束縛されていた道具のことです。
足枷をつけられたら自由に歩くことはできません。
手枷をつけられても自由を奪われます。
自由に動けなくすること、行動を制限すること、
つまり「枷」を付けられると言います。
その「枷」がみている側をもどかしくさせたり、
共感させたり、応援したくさせたりするのです。

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作者都合にならないように注意する

脚本を書いていく上で、一番気を付けないといけないことが、
作者都合にならないことです。
執筆がスラスラ進んでいるときは要注意なんです。
都合よくことが運んでしまい、展開が単純明快すぎて、先が読めてしまいます。
そして、そんなに上手くいくわけがないのに、
上手くいってしまうと物語自体が現実離れしてしまい
共感は疎か、白けてしまうのです。
なので、物語が円滑に進み始めると、
なにかしらの「枷」を主人公に課せるのです。
前にも書いたかもしれませんが、
主人公はとことんいじめ倒すのです。
そして、その「枷」=(作者からのいじめ)を
どう乗り越えるかが物語を面白くする秘訣なのです。
もちろん、いじめるのは作者には不可能なので、
登場人物にそのいじめ役を与えますけどね。

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どのように「枷」を使っていくのか

例えば、信号を渡ろうとする主人公が、
なかなか信号が渡れないように仕向けたりするのも立派な「枷」ですね。
実はそこに「ドラマ」が生まれるのです。
そういう何気ない日常で、

ありそうでなさそう、でもあり得そうなことを書くのです。

何故信号が渡れないのか? という「枷」を色んな方法で導き出していくのです。
どんな案でも構わないので、どんどん案を出していき、
練って練ってこねくり回して捻り出すのです。
お年寄りが今にも倒れそうに歩いているだけではいけないのです。
そのお年寄りを助けたくなる要素を
ふんだんに散りばめるのです。
暴走してきそうな車が通り過ぎるだけではないのです。

信号が故障したら?
信号がいきなり逆に動いたら?


考えれば考えるほど色んな案が出てきます。

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「枷」の要素を理解してふんだんに使っていく

しかし、あまりにも突飛すぎるとこれまた作者都合になってしまいます。
この辺りのバランスが、書いているとわからなくなったりしますが、
例えば第三者に読んでもらったり、2~3日程寝かせてから自分でもう一度読んでみると、
結構客観的に読めて、作者都合も解消されると思います。
そして、主人公をいじめるキャラクターばかりだと主人公が立ち直れないので、
物語の中に主人公を助ける役のキャラクターを存在させておきます。
これは、副主人公が担う場合が多いです。
いじめる、敵対する役も副主人公ですけども・・・。
副主人公はいわゆる、作者の敵ですね。
作者がいじめ役を使って仕掛けた罠に主人公がかかってしまうと、
この助け役の副主人公は作者を裏切り、主人公を助けてしまいます。
このように、物語の中には、
それぞれ役割を持ったキャラクターが配置されているのです。
不必要な役など存在しないのです。
物語の中心に存在している役とか、
背景に必要な役とか、
サブストーリーを生きている役もいます。
色んな要素が全て集まって作品となるのです。
いらない役などありませんね。

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GORO OSAKABE

それぞれの役割で「枷」と向き合わせる

こんな感じで、色んな役割を持ったキャラクターを登場させて
作者は主人公に「枷」を与えながら物語を転がしていくのです。
「枷」があるからこそドラマになっていく、
そして物語の起伏がつけられるのです。
そう考えると「枷」って、
物凄く重要なキーワードになることがわかります。
という具合に僕は脚本を書くときには
いつも「枷」で楽しませていただいております。
思いも寄らない「枷」を見出した時は
結構気持ちがいいものですよ。
ということで今回は「枷」について語ってみました。
ゴールデンウィーク明けまで、
思うようんい動けないという「枷」を
私たちは課せられてしまいました。
私たちを救ってくれる登場人物を待ちながら、
それぞれの物語を展開していきましょう。
明るい未来に向かって全身あるのみですね。

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